夕刻。
街の人混みに人酔いしたのか、それとも朝からまともな食事をとっていなかったからなのか、
若干貧血気味になったので、
お気に入りのお店「墨檜」に立ち寄って、パンでも買って帰ろうと思ったが、
数年前からはじまった”バル墨檜3坪”のハッピーアワーにひゅるひゅる吸い込まれた。
席に案内されたと同時に「ビールください」というと、
お店の方は冷えた生ビールを早々に持ってきてくれた。
喉の渇きを潤すために、ごくごく飲んでいると、背後に視線を感じる。
振り返ると、お店の方に笑顔でこう言われた。
「おいしそうに飲まれますね!」
気恥ずかしさを隠すため、お店の方に、
「お腹が空いているので、肉でおすすめのメニューはありますか?」
とうかがうも、「肉」というところが女子的ではなかったか?
などと心の中をぐるぐるするわたしをよそに、
お店の方はていねいにおすすめメニューを教えてくれた。
紹介された中から、鶏のテリーヌとソーセージを選び、
料理がでてくるまで、運ばれたバケットにかじりつきながら、
”そもそも、今日このお店に立ち寄ったのはベーコンパンが目当てだったんだ!”
ということを思いだす。
おいしいバケットを堪能していると、鶏のテリーヌが運ばれてきた。
涼やかで夏らしいテリーヌにわたしの中の”女子”が発動し、見た目でも食欲を満たす。
その後、ソーセージが運ばれてくると、動き出した食欲に身を委ね、瞬殺でどちらもいただく。
賞味20分。
おいしい料理とビールにお腹も心もお満たされる。
もちろん、会計後”パンを買うこと”も忘れない。
ここのベーコンパンは日本一! とわたしは思っている。
同時に、カロリーも相当高い、という思いには、本日も目を伏せる。