額に青いハートをもった池袋の彼

新聞片手にコーヒーを飲みながら、朝のひとときを過ごしていると、

その電話は来た。

「すみません、豊島未来文化財団の者ですが……」

女の人の声を聞きながら、何事かと思い、

わたしは「はい、どのようなご用件ですか?」と応える。

「落語のチケットの引き取りがまだなのですが、

近日中にいらっしゃることはできますでしょうか? それとも……」

と女の人は続けた。

「あっ、すみません。今日取りにうかがいます」と電話越しに頭を垂れるわたしへ丁寧に

「朝9時から夜の21時まで開いていますので」と女の人はいい電話を切った。

チケットを注文していたにもかかわらず、引き取りを忘れていたわたしは、

そそくさと出かける支度をして、池袋の東口エリアへと繰り出した。

豊島公会堂に隣接する池袋未来文化財団のビルに入るのは初めてだ。

玄関に入ると、昼間だのに少し薄暗い。

「チケットを取ったら早く帰ろう」などと思い、チケットセンターのある2階へ向かった。

そう、そこでわたしは衝撃の出会いをした。

薄暗い階段の踊り場にたたずむ、

額に青いハートをもった、まんまるお目目の緑のフクロウ「としまくん」

マフラーだけでいいんじゃないの? 

マフラーだけでいいんじゃないの?

しかも、モールをまかれてクリスマス風。

動かない彼を見ながら、「やっちゃってるネ!」とわたしの頬はゆるむ。

豊島区に住民税を払って数年、その日はじめて彼の存在を知る。

一体、彼はどこで活躍しているのか。

いや、彼の動きはどこで見られるのか。

彼には、兄弟や恋人がピーポくんのようにいるのか。
そもそも、彼は何者なのか。

瞬間的に彼への興味が募り、一人盛り上がる気持ちを抑えながら、

がらんとしたチケットセンターでチケットを引き取る。

気持ちはすでに落語より「としまくん」。

チケットを鞄に入れると、携帯でとしまくんの写真を数枚撮る。

うれしい出会いは、少し動けば転がっているものだ。

「あー、郵送振り込みにしなくてよかった」

と池袋未来文化財団を笑顔であとにした。

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