今朝、食卓へ降りると唐突にあるくんのママが
「あの猫、あるくんの使いじゃないのかしら?」と言う。
あの猫とは、お盆入り日にあらわれた小さな黒い猫だ。
夜、わたしが帰宅するとその猫は家の前の道路に座り、
近づいても逃げるでもなく「なあに?」とわたしを見上げた。
「そこにいると、危ないよ」と声をかけると、猫は「はーい」という感じで脇道へ歩いていく。
家に入ると、すぐに「かわいい猫が家の前にいたよ」とわたしはあるくんのママに話をした。
あるくんのママは「その猫、黒猫でしょ? 目がくりっとしたかわいい子じゃない?」と言った。
わたしは「そうそう、かわいい子」と応えた。
あるくんのママは
「今日、その猫が庭から部屋を覗き込みながら、あるくんみたいにかわいいそぶりで見つめてくるのよ」と言う。
それから数日、小さな黒い猫は我が家の庭に姿をあらわしている。
日々のさまざまなシーンで、あるくんの姿を追っているわたしたちは、
かつてのあるくんの仕草と猫のそれが重なり、
「あるくんの使い」というよりも、あるくんに見えてくる。
あるくんが星になって、8カ月が過ぎた。
今年はあるくんのお盆デビュー年。
明日の晩には帰らなければならないのだろうか。
あるくんが帰るとおもうと、
「もうちょっと、いてもいいんじゃない?」と引き止めたい。
もちろん、生きているもののエゴなのは、百も承知だけどね。
いつもどこかで見ているのかもね。
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彼ってそういう人だから。じー。
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